こどもカンパニー

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物語の世界に入り込んだ「特別な20分」

こどもカンパニーには「芸術鑑賞月間」があります。
豊かな感性を養おうと、たくさんの芸術に触れる活動をします。

この日は子どもたちが待ちに待った劇の鑑賞会。
人形劇団バオバブさんに、「三びきのやぎのがらがらどん」をご披露頂きました。

ここ2年ほどはコロナ禍もあって、生の劇を観ることは叶いませんでした。
久しぶりの、本当に久しぶりの鑑賞です。

劇で使う黒幕を始め、たくさんの大道具・小道具を拡げていると、
ドア越しから物珍しそうにちらちらと覗き込む子どもたちの姿が。
前日に先生たちが予告していたこともあって、
子どもたちは期待感を持って今日を迎えているようです。

 

さぁ、時間になりました。
ハーモニカ―の音色から始まった、20分間の特別な時間。

部屋の明かりがフッと消え、白いスクリーンに映し出されたのはひとつの影。

「あれなに?」
「やぎだ!」
「やぎだー!」

どうやら子どもたちは一瞬で物語の世界に入り込んだようです。

 

ガバッ!!!

茶色くて大きなモノが姿を見せました。
トロルです。

「ギャーン 」
「キャー」
「うぇーん」

その迫力とパワーに、泣き出してしまう小さな子どもたち。

それでも物語を見逃すまいと、じっと舞台を見つめる姿もあります。

 

幼児クラスのお兄さん・お姉さんも、
まるで生きているようなトロルの迫力に目が釘付けです。

 

ガタンッ ゴトンッ
ガタンッ ゴトンッ

 

やぎとトロルが戦う場面では、

固唾を飲んで見守る子
手を合せて祈る子
あんぐりと口を開けてじっと見つめる子
驚きのあまり、口に手を当てる子


たくさんの表情がありました。

 

どの子も絵本を読んでお話は知っています。
けれど成り行きを見つめるその様子は
登場人物になりきり、ヤギやトロルの気持ちの変化を味わっているようです。

結末を迎えると、こわばっていた子どもたちの顔から、 ふっと笑みがこぼれました。

「良かったぁ!」
「やったー!」

拍手をする子もいました。

驚き、心配、恐怖、緊張、安心、そして喜びと楽しさ。
たくさんの気持ちを感じた20分間でした。

生で観ると、臨場感や迫力、ライブ感がやはり違いますね。
絵本では気づかなかった登場人物の気持ちを感じ、
新しい発見にも繋がっていたように見えます。

 

人形劇団バオバブさん 特別な時間をありがとうございました。